ラジカルギャングズGODFATHER
また泣き出した赤ん坊に困っていると、梶山次吉が燈路から赤ん坊を取り上げ、自分の腕に抱いてあやした。

すると、みるみるうちに赤ん坊は泣き止んでいく。


「へー、すっげー! さすがは元パパ」

「もと……?」


燈路が呟く。

赤ん坊を静かに揺すりながら次吉は言った。


「昔、女房とガキがいた。今じゃどっちも失くしたが」


『他人になった』という意味か、それとも『死んだ』という意味か……。

いずれにしても懐かしむでも惜しむでもない、ぶっきらぼうな表情。


その不器用な言葉から、本当は今でも我が子に会いたいという念が窺えた。

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