ラジカルギャングズGODFATHER



事態を察してバイクは封印して、昨晩通った住宅地の一本道を並んで歩く。


その間燈路は、さっき応答し損ねた電話にかけ直し、マサヨを抱いた綺斗の横で相槌を打ち続けている。

その内容に興味のない綺斗は、一本道のずっと向こうを見据えていた。


「……はい。……はい、分かりました、失礼します」


電話を終えるとすぐ、綺斗が言った。


「これで全部終わる、良かったな」


あくまで、綺斗の言葉に温かみや喜びの念は含まれていない。
ただ淡々と、社交辞令の如く喜びの言葉を述べたまでである。


「そうだね。だけど、僕……」

「まだ家に帰らないつもりかよ」


そう聞かれて、口をつぐんだ。

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