ここにいること
「いった~…!」
誰かとぶつかってしまい
全力疾走で走っていた私はそりゃもう派手に転んだ。
こんにゃろ~…
どこの誰だよっこの夕羽様にぶつかってきた野郎はっ!!
私は相手の顔を確認しようとして
勢いよく顔をあげた。
「ぐはっ!!」
…何が起きた…??
今わかることと言えば
同じ学校の制服を着た奴の胸板が厚いこと
頭がジンジン痛いこと
そして相手もあたしと同じ空気をかもしだしていることくらいだ。
間違いない。
私は知らない男の腕の中にinしてるっ!!
どうやらあたしが顔をあげた瞬間
相手もこっちを覗き込もうとしてたみたいで
私の脳みそたっぷりな後頭部と
奴の骨ばった顎が
追突事故を起こしたらしい。