甘い恋
「そういえば、いたかも…」
「だっ 誰?!」
ゆきが興味深く聞いてくる。
「中学の卒業式の時、あたしに告ってきた男の人がいたんだ…。」
「うん…!」
「あたし何かを、好きになってくれる人もいるんだなって、思ったのを覚えてる…」
「それで、その人の顔は?」
「あんまり覚えてないけど…
すごく地味だったような気がする…」
そう。その人ははっきり言って地味男だった…
黒くて長い前髪は鼻の所まであり、その隙間から見える瞳は、正直少し怖かった…。
まぁ、地味だなんて
あたしの言える事じゃないんだけど…。