For You ‐この想い君へ‐


「でもあたしは高校に入ってから、松永くんじゃなくて渚ちゃんばっかりを見てた。それは多分自信がなかったから、渚ちゃんのせいにしてたんだと思う。」


「……」


あたしは何も言えない。こんなにも冷静に考えることが出来るのは松永に告白した早川さんだから。


「ちょっと…ごめん」


「え…」


早川さんは座っていたイスからいきなり立ち、あたしの方を向いた


「…あたしはちゃんと言った!
ちゃんと松永くんに好きって伝えた!
渚ちゃんとは違うからね!」


涙目になりながら早川さんは力強くそう言った

これまで口にした言葉で、これは一番言いたかった言葉なのかもしれない


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