For You ‐この想い君へ‐
10 隠しきれない心
「覚えてなかったんだってチュー」
「いやだね~彼氏がキスしたの覚えてなかったのって」
「寝ぼけチューってどうなの?」
「渚ちゃんが満足してんだったらいいんじゃない?」
「…ねぇ、それあたしのこと言ってる?」
「「うん」」
二人はあたしに向かって口を揃える
(うん…って!)
そう…あの松永の家に泊まった日
あたしは松永にキスをされた
が、しかし…松永は何にも覚えてないという。自分がしたことを…
「キス?してねぇよ。お前の隣には寝てたけど」
なんで隣に寝たんだろうかと思ったけど
その前に覚えてないって…!