For You ‐この想い君へ‐
「ほら帰るぞ」
「えっあ…ちょっと待って」
松永はそう言ってさっさと教室から出ていこうとする
あたしは急いで帰る準備を済ます
(聞いてないー!)
「ねぇ渚ちゃん」
クラスの子があたしに声をかけてきた
その子はクラスの中でも大人しい子
「松永君と付き合ってるの?」
その子の目は真剣な目をしていた
「えー…あ、うん…」
「そっか…そうだよね。」
(この子も松永のこと好きなのかな…)
その子の表情が暗くなっていくのが分かった
(晴香もだっただけど…本当に松永はモテるんだな…)