For You ‐この想い君へ‐
それからしばらく私達は黙ったまま歩いた
「吉沢、ちょっといいか」
松永は私の前に回り、いつになく難しい顔をしている
「ごめん。おととい行けなくて…あの俺」
その難しい顔は私の胸をきつく締め付ける
「ちょっと!そんな似合わない真剣な顔やめてよ。それと、似合わないプレゼントやめてよね。
松永なら私へのプレゼントはスルメとかガッカリさせるものにしてよ」
「…スルメでいいのかよ」
「でも一つ言いたいのは…スルメでも、遅れてでもいいから、どんな理由で来なかったとしても、私は…松永からもらいたかった」
それで少し照れながら「おめでとう」って言ってほしかった