【短編】クリス王子とセシル姫
晩餐会
一眠りできたおかげか、セシルは晩餐会までにはすっかり元気になっていた。
立食形式の晩餐会で、豪勢な料理がふんだんに並べられている。
会が始まると、セシルは「お腹すいたっ」と言いながらとにかく食べに走っていた。
それでも時折王族である自分達に挨拶に来る貴族達の相手をする時にはまた余所行きの顔になる。
やがて2人のもとに、アーサーがやってきた。
「食べれてる?」
主賓ということでなかなか放っておいてもらえない2人を気遣って、アーサーがそう問いかけた。
「うん。セシルはガツガツ食べてる」
「うるさいわね」
クリスの答えにセシルが即座に口を挟む。
アーサーは楽しそうに笑った。
「セシル姫、お酒は飲まれませんか?」
セシルが水を口にしていることに気付いてアーサーが問いかけた。
セシルはにっこり微笑むと、「お酒は弱くて」と返す。
クリスは思わず目を丸くした。
「―――嘘つけ!
いつも水みたいに飲むくせに!」
「うるさいわねっ!」
アーサーがまた声を上げて笑う。
「どうぞ遠慮せずに」
立食形式の晩餐会で、豪勢な料理がふんだんに並べられている。
会が始まると、セシルは「お腹すいたっ」と言いながらとにかく食べに走っていた。
それでも時折王族である自分達に挨拶に来る貴族達の相手をする時にはまた余所行きの顔になる。
やがて2人のもとに、アーサーがやってきた。
「食べれてる?」
主賓ということでなかなか放っておいてもらえない2人を気遣って、アーサーがそう問いかけた。
「うん。セシルはガツガツ食べてる」
「うるさいわね」
クリスの答えにセシルが即座に口を挟む。
アーサーは楽しそうに笑った。
「セシル姫、お酒は飲まれませんか?」
セシルが水を口にしていることに気付いてアーサーが問いかけた。
セシルはにっこり微笑むと、「お酒は弱くて」と返す。
クリスは思わず目を丸くした。
「―――嘘つけ!
いつも水みたいに飲むくせに!」
「うるさいわねっ!」
アーサーがまた声を上げて笑う。
「どうぞ遠慮せずに」