【短編】クリス王子とセシル姫
「子供で悪かったな!!
アーサーの部屋でもどこでも行って、
満足させてもらえばいいだろ!!」

クリスの剣幕に2人とも呆然としている。
どうして怒っているのか分からないという表情だった。

クリスは逃げるように目を伏せた。

「、、、先に寝る」

2人に背を向け、クリスは広間を足早に出て行った。

部屋に戻りながら、自己嫌悪が渦巻く。
2人の言葉が冗談であることなんて分かっていた。
それでも耐えられなかった。

”クリスは子供だからなぁ。
満足できないんじゃない?”

心のどこかで感じながら、考えないようにしていたこと。

”試してみる?”

”じゃ、別に部屋用意してもらわないと”



全く、笑えなかった―――。


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