【短編】クリス王子とセシル姫
「、、、どうしたの?」

クリスの目がセシルを見る。

「本当に、大丈夫、、、?赤ちゃん、、、」

「大丈夫よ、、、」

「でも、、、」

「クリス、、、」

セシルがクリスの言葉を遮った。

「焦らさないで、、、」

訴えるように囁くその言葉に、クリスは思わず固まった。

セシルが切なげに自分を見ている。

そんな風に求められるのは初めてのことで、自然と熱い想いが込み上げてきた。

「分かった」

彼女の願いに応えるようにまた愛撫を始める。

セシルがいつもより敏感に反応してくれるのが嬉しくて、
すぐに終わらせたくなくて、丁寧に時間をかけて愛撫した。

「クリス、、、きて、、、」

「まだ」

「え、、、なんで、、、あっ、、、」

いつもと違う彼にセシルが戸惑ったような声を漏らす。

けれどもその体は、高まっていくことを示すように熱を帯びてくる。

それが分かるから、なおさら止められない。
クリスはただ夢中でセシルの体を貪り続けた。

「はぁ、、、あ、クリス、、、」

セシルの手が寝台のシーツを、掴む。
そして一瞬苦しげに固く目を閉じた。


「あぁ、もうダメ、、、あぁっ、、、!!」


セシルがそう声を漏らした瞬間、彼女の体がびくんと跳ねた。

初めて感じるセシルの変化に、クリスは我に返って目を見開いた。

一瞬力が入った彼女の体は、やがて空気がぬけたように力を失っていった。


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