【短編】クリス王子とセシル姫
その言葉に、クリスは一瞬言葉を失った。
他にどんな理由があるというのだろう。

「、、、当たり前だろ」

「そういうことぉ~!!」

セシルは納得したように声を上げた。

「見せ付けたいのかと思って」

「―――はぁ???」

「要望に応えたつもりだったんだけど」

、、、力が抜ける。

でもなんだかおかしくて、笑いが込み上げる。

クスクス笑うクリスに、セシルは不思議そうに小首を傾げた。



―――なんかもう、全然敵わない、、、。


―――でも、、、なんでだろう。


クリスはセシルの綺麗な緑色の瞳を見つめた。


「好きだよ、セシル、、、」


―――愛おしくて、たまらないんだ。
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