先輩とあたし
「お…教えるわけねーだろ!」





「ふーん。じゃぁ、ばらしちゃおっかな。男バスの他の皆様に。直樹が恋の病にかかった、ってさ。」




「教える!教えるからそれはやめろ!」





俺は知っている。遼にはかなわないことを。





「はいはい。で誰なの?」



遼は勝ち誇った顔できいてきた。



くそーっ絶対いつかまかしてみせる。




「女バスの1年生。」




「は?」




いきなり遼の顔が険しくなった。





「どうかしたか?」




「その子って、笹野伊織(ささのいおり)ってこ?」






「誰だよ。それ。」


聞いたことねーな。




「違うのか!なら安心。あ、この際だからいうけど…伊織は俺の彼女ですんで直樹お得意のスマイルでたぶらかさないでね〜」



遼は軽く言っているがその目は本気だった。




「お前、彼女いたのかよ!!」



今まで、全く聞いたことのなかった事に俺は驚いた。




「いや、俺に彼女がいない方が不思議だろ?」





このナルシストめ!



っていうのは口が割けても言えねーけど…




遼だけには逆らえねーんだよな。





「ぢぁ、クラスマッチんときにでも教えてくれよな!」




遼はそう言い席にもどった。




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