先輩とあたし
「君、女バスの子?」
突然、滝岡先輩と一緒にいた男の人はそう言った。
「は…はい。」
私は結構人見知りするタイプ。
特に男の人にかなり人見知りする。
だから、突然話しかけられたりすると、
オドオドしてしまうんだよね。
「ふーん。可愛いね!」
その人はニッコリとそう言った。
「遼くん!!」
「遼!!」
滝岡先輩と伊織の二人の声が重なった。
「優奈!遼は紳士的に見えて超嫌な奴だからかかわんねー方がいい!ってか絶対かかわんな!」
かなり必死にそういう滝岡先輩。
なんか、クールな滝岡先輩しかしらなかったから、こんなに慌てた先輩ってなんか新鮮。
自然と笑みがこぼれた。
「遼くん!優奈が可愛いからって惚れちゃだめだよ!」
ブスーッと頬を膨らましながら伊織はいった。
「バカ。ちょっと直樹苛めてみただけだよ。俺が可愛いって思うのは伊織だけ。わかった?」
その人は、滝岡先輩をチラッとみたあとそう言って伊織をなだめた。
「遼くん。大好き〜。」
「チッ。このバカップルが!」
滝岡先輩はそう言った。
バカップルかぁ〜。
「…って、ぇえ!?あの人といおって…付き合ってるんですか!?」
「ぁあ!そーゆーこと。全く迷惑だよな。公衆の面前であんなラブラブっぷり見せられても」
滝岡先輩は苦笑いを浮かべながらそう言った。
ん?
待って…
今
私と滝岡先輩
二人っきり!?
今なら…
聞けるかな?
「あの…先輩?」
「ん?どした?」
いざ、聞くとなると緊張する。
頑張れ、私!
私は小さく深呼吸をすると
「先輩の試合は何試合目にどこであるんですか?」
と聞いた。