先輩とあたし
直樹side




「直樹のおかげで、俺らもとうとう決勝だな!」



チームキャプテンの翔(しょう)はいってきた。


「俺は何もしてねーし。」



「直樹何かっこつけてんの?」



遼はそう言ってきた。




「かっこつけて「直樹!向こうで女子の決勝やってるってよ!」





息を切らせながら隼人はいってきた。




「まぢかよ!?」


そうして俺と隼人は急いでコートに向かった。



コートにつくと



かなりのギャラリーの数。


その3分の2は1年3組、優奈のクラスを応援していた。



「優奈っちと美雨ちゃん一気にアイドル的存在だよな」



隼人はそう呟いた。



確かに…



このクラスマッチによって優奈と美雨ってこを知らない奴は多分いないだろう。



それだけの人気が2人にはあった。




俺的に全然嬉しくねぇな




俺は小さくため息をついた。




人気になる理由も分からなくはねーけどよ?




バシィ



その音とともに、相手チームのスパイスが決まった。



それはひでぇんじゃねぇの?




だってバレー部が熱くなってどうすんだよ…



どちらのチームも1セットずつとってて、この3セット目も14対14のデュース。



どちらが勝ってもおかしくない状態。





「美雨ちゃん頑張れ〜!」



隼人は大声でそう言った。


その声によってこちらを向いた美雨ってこ。



その子は顔を輝かせたかと思うと、隣にいた優奈の肩を叩いた。




あ…



そのお陰でばっちり目が合う俺と優奈。




俺は、口パクで『がんばれ』といった。


あ、分かったみてぇ。



優奈はニコッと微笑むと軽く会釈した。




「あれ〜直樹、何ニヤニヤしてんの?」



よこからからかってくる隼人


「隼人、お前、うざい」





俺は冷たくいいはなった。





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