先輩とあたし
ピッピ─────ッ。
審判の笛によって整列する選手達。
結果は
3年6組の粘り勝ち。
あのあとかなりデュースが続いた。
優奈達はすごく頑張った。
でもな…やっぱバレー部2人には勝てねーよな?
周りは『お疲れ』や『よく頑張った』、『惜しかったね』など励ましの言葉が飛び交っていた。
「試合お疲れ」
俺は優奈の所へ行きそう言った。
「ありがとうございます…」
優奈はそう言ってうつむいた。
なんか、様子が変だ。
「どうかした?」
「滝…かせんぱ…ッッ。私ッッ負けちゃ…いました…」
うつむきながらそう言った優奈は泣いていた。
フワッ
気づいたら俺は軽く優奈を抱きしめ、頭をポンと軽く叩いていた。
体が勝手にってやつだよな。
「優奈は頑張ったよ。だから泣くな。」
「滝岡先輩…?」
うぅ、
その涙のたまった目で上目使いは反則だろ!?!
俺は理性を飛ばさないよう気をつけながら、
「俺が変わりに勝つから…応援して。…な?」
そう言った。
優奈は少し顔を赤らめながら
「はい」
と言った。
「じゃぁ、いってくるから」
そう言い俺はコートに向かった。