先輩とあたし


さっきから全然動いていない私の手。




それは隣に座る美雨も同じで…



逆隣にすわるいおも同じ。



なんか、全然わかんない!



これ本当に日本語?




「もう、わかんないよ〜。遼く〜ん!」



いおはそう言い中野先輩をよんだ。



「何?伊織。」




中野先輩は私たちの机にやってきた。



「全然わかんない…」



あ、なんか私たち入れない雰囲気。



いない方がいいかな?



ちょうどいいし…サク先輩の言ってた向井くんって人に教えてもらおうかな?




「まさか3人ともさっきからずっと分からなくて何もやってないの?」




中野先輩はかなり驚いた表情。


3人って、



私たちまとめられちゃってる?



「そうだよ!」



いおはあははと笑いながら言う。



笑い事じゃないよ…




こんなんじゃ私たち追試のオンパレードだよ。




「しょうがないなぁ…直樹!隼人!こっち来て!」




んにゃ!?



た…滝岡先輩よんじゃうんですか?



そんな私の心の叫びも虚しく、私たちの前に滝岡先輩と神崎先輩がやってきた。



あ、、眼鏡!?



普段はつけていない眼鏡を今日はつけている滝岡先輩。




黒ブチ




かなり似合ってる。




「悪い。直樹と隼人、俺さすがに3人も教えるのは無理。伊織だけで手一杯だから後の2人に教えてあげて!勉強。」



中野先輩はすまなさそうにそう言った。



本当にすいません…




「ぁあ、いいけど。」




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