先輩とあたし
優奈side



…どこが分からない?」



そう言って私が机に広げていた問題集を覗き込んできた滝岡先輩。




キャー顔ちかぁい!




って…美雨かΣ



でも、ほんとに近い。




これじゃぁますます勉強どころじゃないよ〜。



「え…っと、、全…部ですかね。」




滝岡先輩は一瞬驚いたあと笑いながら、



「ははっ。そっかそっか。じゃぁ最初から教えるね。」



と言った。



「ほんとにごめんなさい」



「気にしなくていいから、俺が教えたくて教えてるだけだし!…じゃぁこの問い1からいくね?」



そういって滝岡先輩は私の隣に座ると丁寧に教え始めた。



何、この密着感!


だって、耳元でささやかれてる感じ。



このままじゃ私、




心臓もたないよ!




ってダメダメ!



こんなんじゃせっかく教えてもらってるのに、理解するどころじゃない。



あ!そうだ!




お兄ちゃん…




そう、お兄ちゃんだと思えばいいんだ!



滝岡先輩じゃなくてお兄ちゃん。



あ、なんか集中できてきたかも。









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