先輩とあたし
お誘い
「で、お礼。何してもらうの?」
隼人はニコニコしながらそう言ってきた。
「聞いてたのかよ?」
盗み聞きとは…悪趣味だな。
「そりゃぁバッチリと。美雨ちゃんと二人で聞いてたし。」
「誇らしげに言うことじゃねーだろ」
「で、何にするの?」
人の話聞けよな〜。
「何にするって…全然思い浮かばねぇ…」
いや、優奈にしてもらいたい事なんて沢山あるけどよ?
でもそーゆーのとはちょっと違う気がするし。
「じゃーん♪そんな直樹のために、これあげる」
隼人は俺からのプレゼントねーと付け足した。
手には二枚の映画のチケット。
「これでどうしろと?」
「俺と一緒にいってくんねぇ?っていうに決まってんだろ?」
あ〜。なるほどな…
「…って俺が結局誘ってんじゃねーかよ?」
これってなんか違うよな
「へぇ〜。いらないんだ〜。なら俺が美雨ちゃんといこ!」
「ちょっ、待て!嘘!行く!行きてぇ!」
「ま、直樹がそこまで行きたいって言うならしょうがないね。あ、でも…」
「でも…?」
なんかあんのか?
「条件が一つ。」
「条件?」
「そう!これ遼が直樹にあげてやってってくれたやつで、遼がそんときに言ったのが…」
隼人は俺の耳元でささやいた。