先輩とあたし
「ねぇ、何してんの?」
私の上から聞こえた低い声。
「チッ、男まってたのかよ。」
二人組の男の子はそうつぶやくと去っていった。
「ありがとうございました」
私は振り返り助けてくれた滝岡先輩にそういった。
「ん。 …優奈、危なっかしいからこのままな。」
このまま?
…
手繋いだまま?
ってことだよね?
さっき助けられたとき滝岡先輩は私の手を引っ張ったから、
私は滝岡先輩と手を繋いだままだった。
「いいんですか?」
「ぁあ、さっきみたいに変な男に絡まれても困るから。」
「はい」
理由はなんであれ、先輩と手繋げるのは素直に嬉しい。
緊張はするけどね。
その後私たちはショッピングモールをぶらぶらした。