続・恋する心は“あなた”限定
おかしいなぁ…。
ちゃんとしまってあったと思うんだけど…。
クローゼットの中を隈無く見渡していると、ベッドの端に座っていたお母さんが口を開いた。
「由優、もしかして黒いコート探してるの?」
「うん…。でも、無いみたいなの…。変だなぁ…。」
「あら、あのコート、確か舞依ちゃんに貸してたんじゃなかったっけ?」
ピタリと私は探していた手を止めて、お母さんの方に振り向いた。
「あ……!そうだった…。舞依に貸してたんだ…去年から…。」
スッカリ忘れてた。