続・恋する心は“あなた”限定

信号が青に変わると、俺は由優の腰に手を回して傍に引き寄せた。


「理緒!人がいっぱいいるから、こ、こんなに近いのは恥ずかしいよ…。」


「こうでもしねぇと、俺が安心できねぇから。」


由優は、もう少し離れたそうな表情をしているけど、回した手を離すことなく横断歩道を渡った。


こんなに傍に居ても、正直、不安な気持ちになる。


すれ違うほとんどの男は由優をチラリと見ていくし、中には、声を掛けたそうにしながら通り過ぎていくヤツまでいるからだ。


ちゃんと俺の彼女なんだ…ってことをアピールしていないと、誰かに連れていかれそうで怖い。



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