続・恋する心は“あなた”限定
ゆっくり歩いて来たはずなのに、気付けば校門近くまで来ていた。
は、早いな…。
さっき家を出たばかりのような気がしてたけど、もう学校に着いちゃった…。
理緒と会話してると、嬉しくて楽しくて…
時間があっという間だなぁ…。
驚きを感じつつ、私は次第に視線を下へと落としていった。
このまま理緒と一緒に校舎に入って行ったら…
私たちが付き合ってること…バレちゃうよね、きっと…。
「由優…?」
歩く速度が急に落ちた私に気付いた理緒は、顔を覗き込んだ。
「こ、ここから別々に行った方がいいかな…って思って…。ほら、理緒ファンの女の子も多いし、私が隣に居たら…何だか申し訳ないから…。」
俯きながら、コートのポケットから手を出そうと引っ張ってみたけれど、理緒にますます強く握られてしまった。