続・恋する心は“あなた”限定

ゆっくり歩いて来たはずなのに、気付けば校門近くまで来ていた。


は、早いな…。
さっき家を出たばかりのような気がしてたけど、もう学校に着いちゃった…。


理緒と会話してると、嬉しくて楽しくて…


時間があっという間だなぁ…。


驚きを感じつつ、私は次第に視線を下へと落としていった。


このまま理緒と一緒に校舎に入って行ったら…


私たちが付き合ってること…バレちゃうよね、きっと…。


「由優…?」


歩く速度が急に落ちた私に気付いた理緒は、顔を覗き込んだ。


「こ、ここから別々に行った方がいいかな…って思って…。ほら、理緒ファンの女の子も多いし、私が隣に居たら…何だか申し訳ないから…。」


俯きながら、コートのポケットから手を出そうと引っ張ってみたけれど、理緒にますます強く握られてしまった。



< 15 / 304 >

この作品をシェア

pagetop