続・恋する心は“あなた”限定

「理緒……」


その姿を視界に映した瞬間、ホッとしている私がいた。


「おはよ。」


スタスタと玄関先から私のところに歩いてきた理緒はポンポンと頭を撫でた。


私ってば、脇目も振らずに家の前の道まで飛び出したから、玄関のすぐ横で待っててくれた理緒に気付かなかったんだ……。


「おはよう…。かなり遅くなったから、理緒が先に行っちゃったかな…って思ったの…。待たせてごめんね…。」


「俺は待つ時間とか苦にならないから大丈夫だよ。それよりも、先に行った…って思わせちゃってごめんな…。俺が由優を置いて先に学校行くなんてこと、絶対にねぇから。」


こんな時でも、理緒は本当に優しい…。


優しすぎるくらいだ。



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