続・恋する心は“あなた”限定
……何?
振り向くと、理緒が黒板に手の平をあてていた。
もしかして…今の音って、黒板を叩いた音だったのかな…。
教室がシーンと静まりかえる中、理緒は男の子たちに鋭い視線を向ける。
「何、笑ってんだよ…。」
聞いたことのないくらいの低い声に、私も背筋がゾクッと凍りつく感覚がした。
「別に俺も由優も、アンタたちに笑われるようなこと……何一つしてねぇんだけど。」
理緒の睨むような視線に、男の子たちは、みるみるうちに気まずそうな顔をし始める。
教室に居づらくなったのか、コソコソと逃げるように後ろの扉から出て行ってしまった。