続・恋する心は“あなた”限定
『理緒君、カッコいい…!』
男の子たちが出て行った後、教室の中で一連の流れを見ていた女の子たちの口から、そういった言葉が漏れる。
キラキラした視線が注がれているけれど、理緒は一切気にすることなく、私の目を見つめた。
「朝から嫌な想いさせちまったな…。ごめん…。二度と由優の前で、あんなこと言わせねぇから…。」
そう言った理緒の瞳は切なげに揺れていた。
「理緒のせいじゃないでしょ…?私は大丈夫だから…。さっきの言葉、ちょっと恐かったけど…嬉しかったよ…。」
微笑みを浮かべると、理緒の手は私の頬へと伸びてきて、目元に微かに溜まっていた雫を拭った。