続・恋する心は“あなた”限定

振り向くと、カナはカバンを廊下に落として、そこにしゃがみこんでいた。


「ひでぇよ、理緒兄…。俺は由優先輩に会えたのが嬉しくて…もう少し話をしたいな…って思っただけなのに……。」


シュン…と寂しそうにしているカナに呆れてしまって、またしてもため息が零れる。


ったく…
そんな表情したって、俺が同情するとでも思ってるのかよ…。


小さい頃から不都合なことがあると、すぐこれだ…。

構わずに2階へ行こうとしたが、由優は俺のコートをギュッと握った。



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