《それが罪だと言うのなら、私は喜んで罰を受けよう…。》
会話の出来るキミ
あの決意の日から、早2年。
頭の惰性で歩くようになったシンは、慎のうでの中で無邪気に笑っていた。



「まこー!」
『呼びましたか?』
「ん!あー、する。」
『ふふ、ご飯ですよ?ごはん。』



だいぶ話せるようになったのか、楽しそうにしている慎。
シンもいつも側にいる慎を、親だと分かっているようで抱き付いたりほっぺたにキスをしたりと甘えている。




『後で、お散歩に行きましょうか。今日は晴れてますから、きっと気持ち良いですよ?』
「おさんぽー!おれね、わんこみるの!」
『ああ、門の所のワンちゃん好きですもんね?』



シンがはしゃぐのを、ニコニコ笑って見ていた慎だが、ふと何かに気付いて足を止めた。

その視線の先には、揺らめく目に痛い金色。



〔ふ、こんな所に住んでいたか。落ちぶれたな!弥勒菩薩!〕
『金夜叉…貴方でしたか。』
〔ふん、気安く呼ばないでもらえないか。人間臭さが移りそうだ。〕



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