理想のワタシ
症例1~理想の友達~

私は坂下真央。中学3年生。
なのにもかかわらず友達が少しだけ……ぅぅん、いない。
そう、私は人見知り。じゃなかったとしてもかかわるのが苦手。
だから一向に友達は出来ず、増えない。

……友達……今一番欲しい物。
どうしたらなれるのかな。

*

ワイワイ……

あぁうるさい。
男子の野太い声に女子の気高い笑い声。
私は賑やかが嫌いだった。
だからそれをこらえて自分の席で読書の毎日。
だから……

「坂下サンっていつも読書してるょね」

「ぅーゎ。友達いんの?」

「ぁーん!ナツゎかわいそうで見てらんなぃょッ」

「あー!ナッチャン優しい!」

……こそこそ話をされる。
聞こえてないと思っているけど
あいにく私は地獄耳。

(優しいワケないじゃない……)

私はそう思いながら気にせず読書をする。
え?なぜ傷つかないって?
それは……毎日の毎回のコト。慣れっこ。
そこは自慢できるかな。

もちろん移動教室も一人。
クラスの皆の後ろをついていくように歩く。
周りからは仲間はずれに見られたくないからである。

毎日が毒のある毎日だった。
女子からも男子からも話しかけられることは滅多に無く、
いつ本格的にいじめにあうか怖くて毎日におびえていた。

何回も思った。

「私はこの世に必要とされていない」

「死にたい」

「何で私を誕生させたの?」

「消えたい」

「皆大嫌い!!」
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