理想のワタシ

~♪ ~♪

「……ん」

携帯の着信がなる。
にやけが止まる。

友達なんていないしー……
お母さんかお父さん……?
でも忙しいはず……

と、いうことは

“イタ電”……ってやつ?!

「ま…さか……ね」

なんて強がり言ってるけど声は震え、
体も小刻みに震えていた。

怖い……!
ぃや……!!

でも出なくちゃ……

着信相手を見る。

「シ…タ……ワ?」

相手は“シタワ”と言う人物。
どんな人なのか怖くて仕方が無いけど
ゆっくりと携帯を耳に当てる。

「も…もしもし……?」

もちろん声は震えMAX。
携帯を持つ手が異常に震える。

ダレ……

『もしも~し♪シタワですッ!会員登録ありがと~!』

会員登録……?

「!」

そうあのサイトの管理人さんだった。

『願い……決まったかな??真央チャン』

「…あの!本当に叶うんですか??」

実は半信半疑だった。
浮かれすぎて騙されてしまったらヤダ!
そう、人を信じれない人の特徴が一瞬であらわとなった。

『もぉ~!説明見たでしょぉ??か・な・う・よ!』

「ですよねッ」

この人……面白いな。
初めて人を面白いって思えたかも。

『願い事教えて♪』

私は話す。

「私、友達がいないんです。暗くてダサいのは分かっているんです」

それによって心が少しずつ晴れていく。
相談なんてしたことがなかったから……

友達はいないから相談なんて出来ないし、
先生は「皆いい子だから絶対友達になれるぞ」なんてセリフばっかで、
親は共働き。しかも夜遅くまで帰ってこない。
誰にも相談できなかった。

そう私は、いつどこでも孤独の身だった。
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