My Doctor





「いや、今日はこれを飲ませて下さい。」





そう言って千裕は、自分の鞄から錠剤を出した。





(ほんと………よくできたやつだよ。)





人の家に飯食いに来るのに、人ん家の娘のためにわざわざ薬持ってくるやつが、他にどこにいる?





そう思いながら、詩織に薬を飲ませる。





「んっ…………。」





ごくっ





喉が嚥下したことを確認した俺は、千裕に向き直る。





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