ヒーローくん!


言われた通りお菓子を元のところに戻して、あたしと眼鏡の子は公園に行った。

そしてその場で、小学生4人はお兄さんにこってり絞られた。

今回の万引きはどうやら罰ゲームの一環だったらしい。

「もう二度とするんじゃねぇぞ?」

「はい!すいませんでした!!」

眼鏡の子はしゃくりあげながら、他の3人は真っ赤な目と涙声で声を揃えた。

「ねえちゃん、つきとばしてごめん」

黄色いシャツの子があたしに向き直り、口をへの字にして言った。

「しょうがないなぁ。許してあげるよっ」

あたしはわしゃわしゃと頭を撫でた。

へへっとシャツの子は笑った。

ふふ。なんだかんだ言ってもまだ小学生だもんねぇ。

かわいー


「おし、じゃあ暗くなる前に帰れー」

お兄さんがそう言って、男の子たちは帰っていく。

「ばいばーい」

あたしたちはひらひらと手を振った。



…それにしても。

あたしはちらりと隣を盗み見た。

にっこり爽やかな笑みを浮かべて、男の子たちに手を振るお兄さん。

鼻筋がすっとしてて顔立ちは整っているし、女の子たちが羨むほどの長い睫毛と綺麗な肌で。

アーモンド色の髪も少しワックスで整えてあって、ファッションセンスもバッチリだ。



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