ヒーローくん!
シオが喜びそうだなー
さすがにあたしも、この人はイケメンだと思うわ。
うんうん。
「うん?俺の顔に何かついてる??」
「へっ?あ、いやいや全然キレイです」
あたしは手を横にブンブン振った。
するとお兄さんはくくっと笑いだした。
あちゃ、あたしそんなに見てたかな?
「…それにしても、なかなかナイスだったよね」
「はい?」
「あんた、棚の陰からあいつらジーッと見て、一人で百面相して追っかけて、眼鏡のヤツしっかり捕まえちゃうもんな」
「はあ…まあ…」
とりあえず褒められてる…のかな?
…て、あれ?
棚の陰から??
妙にその言葉に引っ掛かって、あたしはストップした。
「どうしたの?」
「いやぁ、なんで知ってるんだろうと思いまして…」
「え?あー、最初から見てたしね」
「あぁ、それでですか」
ポンと手を打ったあたしに、お兄さんは目を丸くする。
そしてまた噴き出した。
「ぷははっ!あんた面白いなぁ」
「はい?」
「大概の人って、ソコで『なんでもっと早く出て来なかったの!?』って怒るだろ?しかも百面相もスルーだし」
「はあ…」
なんかよくわかんないけど、とりあえずウケてる…のかな?