ヒーローくん!
川瀬くんは角を曲がっていなくなっていた。
うん~~?
あたしは首を傾げた。
最初の凜とした声は、空耳…?
川瀬くんの印象と声とが結びつかなくて、見て固まっちゃったんだけど。
その後は全部モゴモゴした喋り方だったし、それが川瀬くんらしい喋り方だった。
…少女マンガの読みすぎかな?
ぶつかった相手がものすごくステキな人で、恋に落ちて…っていう話、この前シオに借りた気がする。
う~ん…
ぐぅ~
あ。
お腹すきましたね。
まだシオが戻ってくる気配はない。
お先にお弁当いただいちゃいますか。
今日はオムライスだったかな、とあたしはスキップで教室に戻った。