【ND第2回】雨




「そっか、よかった…」


雨と涙でぐちゃぐちゃになったあたしの顔に、斗真は口づけをする。


「俺さ、ももは俺以外好きにならないって余裕かましてたんだ」


「…ん」


小さく頷くあたしの頭の上に斗真の大きな手が乗る。

「でもさ、ももが初めて誘いを断ったときさ正直焦ったよ…」


気づいてくれてたんだ。


あたしが初めて誘いを断ったってこと。


それだけで、心はポカポカ。


「だからさ、今日来なかったらどうしようかと思った」


断られることがこんなに不安だなんて知らなかった、って。


今までごめんな、って。

あたしを抱き締める斗真にあたしは笑っていた。


「あ、ははは…」


「…え?もも!?」


「あー…よかったー 本当によかった」


本当に本当によかった。

「斗真を好きになってよかった」



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