【ND第2回】雨
そう言うあたしに斗真は、
「まだ、その台詞は早いよ」
「…え?」
そう言って、斗真が取り出したのは小さな箱。
綺麗にラッピングされていただろうに雨でぐちゃぐちゃだ。
「汚いな、ちくしょう」
かっこよく決めるつもりだったのに、と言う斗真。
小さな箱を開くと、そこにはダイヤモンドが光っていた。
「結婚しよう…もも」
左指にはめられた指輪は、あたしの指にピッタリで。
その瞬間、熱いものが後から後から溢れ出して止まらなくなった。
「…あたしで…いいの?」
そんなあたしに、優しく微笑む斗真。
「ももがいいんだよ」