【ND第2回】雨
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「あ、斗真…」
その帰り道、隣にいる斗真に気まずそうに口を開く。
「なに?」
期待をした目を向ける斗真にさらに言いにくくなる。
「あの、ね」
どうしよう、なんて言ったら言いかな?
「あたしね雨の妖精に恋しちゃってたんだ…」
「雨の妖精?」
「そう」
奏でる音楽は素敵で。
綺麗な顔立ちの青年。
「雨の妖精はキューピッドでもあるの」
あたしのこと、後押ししてくれた。
あの強さに支えられた。
「だから、今、斗真と一緒にいるんだよ」
「ふーん」
でもそいつ憎たらしいな、と言う斗真。