【ND第2回】雨
「一瞬でも俺じゃなくて、他のやつを思っていたなんて考えたらムカムカする…」
チラッとあたしを見ながら言う斗真に全身がドキンとした。
電気が通ったみたい。
「ごめんね…」
謝るあたしに斗真は頭をかき回すと
「だー!カッコ悪、自分」
思いっきりやきもちだ、と言う。
だけど
「カッコ悪くなんかないよ」
全然、カッコ悪くなんかない。
「あたしだって、斗真のお客さんにいっぱいやきもち妬いた」
それにね…斗真があたしに妬いてくれたこと
「すごく嬉しいから」
今、すごくドキドキしてるから。
すごく甘い気分になってるから。