【ND第2回】雨

部屋の中で窓を閉めきっていれば気づかないくらいの、ささやかで、ちいさな雨なのに、それでも、天気予報が雨天だと告げるから、あの人は電話はおろか、メールさえくれない。

ゆびさきに、すこし離れたところから、ふっと息を吹きかける。

息は、ひんやりとしていた。


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