【ND第2回】雨


そんなことを考えていると学校に着いた。


「おっはよーもも。」


教室に着くと、仲のいい友達、ミユが話しかけてきた。


彼女は今日もご機嫌のご様子で。


「おはよう」


にっこり笑って見せると

「また、出たよ〜!ももの作り笑い」


何で作り笑いなんてするの、とミユはいう。


どうも、彼女だけは騙せないのだ。


みんなにっこり笑うと、にっこり笑い返してくれるのに、彼女だけは眉間にシワをよせて怒ってくる。


「あたしは騙されないっていつも言ってるでしょ!?まーももは、美人だからさ〜みんなにっこり笑えば騙されちゃうけど…特に男子!でも人間作り笑いはどこかに欠点があるものなのよ?ももは勉強にスポーツ完璧にこなしちゃうけどどこかに欠点があるはずね!」

そう言って、どこだろー?とあたしを眺めるミユにいつかバレちゃうんじゃないかって思う。


ミユのいうあたしの欠点が。


あたしの欠点は、斗真に惚れていることだ。


きっと、斗真のためならなんだってしちゃうから。

でも、あたしは知らないふりして


「余計な詮索してないで課題やらないとやばいよ」


とミユを横目に見る。


すると、ミユは思い出したようで慌てたように課題を始めた。


そんなミユを見ながら、気が抜けないな改めて感じ、ため息を一つ溢した。


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