わがままマイハニ―
さっきまでぐちぐち
言っていたお嬢様の声が
しだいに無くなり
ふと後ろを向くと
お嬢様は綺麗な寝顔で
すでに眠っていた
…なるほど
眠かったから
機嫌悪かったのか
そんな事を思いながら
お嬢様の寝顔を見ていると
あっという間に
家に着いた
「お嬢様…」
起こそうと後ろの方へ周り
ドアを開けて
起こすのを少しためらう
あまりにも
気持ちよさそうに寝ているので
なんとなく起こしたら
悪いような気がして
お嬢様を起こさないよう
そっと抱き上げる
起こしたら機嫌悪くて怒りそうだし
運転手の坂井さんに一礼して
広い庭を過ぎ
玄関を開ける
家の中は気持ち悪くなるほどに
ピンクと白でまとめられている
初めは通る度にはきそうに
なったこの長いピンクの廊下も
今じゃなんて事もない
…慣れって怖いな