わがままマイハニ―
お嬢様の部屋へ着くと
ドアを開けベッドに寝かせる
起こさないように
丁寧に布団をかけ
一礼して部屋を出る
俺は自分の部屋に戻り
仕事を始め、
家付きのコックは
夕食を作り始める
それから2時間ほどして
机上においしそうな料理が広がる
「お嬢様、ご飯の支度ができました」
お嬢様の部屋のドアを
トントンッと軽くノックする
「美姫様―?」
呼んでも返事が無いので
まだ寝ているのかと
静かにドアを開ける
「…何してらっしゃるんですか?」
「か…勝手に開けないでよ」
カチン
「お呼びしたのに
出てこられないので
少し心配になりまして」
少し嫌みを含めて言うと
お嬢様は何も言わず
小さくなってじっと
テレビの方を見ている
テレビの方へ目を
向けると最近流行っている
ホラ―映画
…意外
「何よ
意外とか思ったんでしょ?
友達に勧められたの!!」
まだ、何も言ってないのに
少しむきになったように
お嬢様が言う
「別に見たくて
見てる訳じゃないから!」
つけたしたように
言うと部屋を出ていく
俺は小さくため息をついて
スタスタと早歩きで
ダイニングルームへ向かう
お嬢様についていく