わがままマイハニ―
「悪いけど
今すぐ消えてもらえる?」
そう言うと男は
「僕が
しゃべった事は…」
「全部聞かなかった事にしてやる
そのかわり
二度と美姫に近づくな」
俺が睨むと男は
そそくさ部屋を出ていく
よくあんな気が弱くて
とくに強いわけでもなく
口がものすげい固いわけでまない
男を雇ったもんだ
「美姫」
俺はもう一度美姫の
もとへ行く
「…どこ触られた?」
「へ?」
お嬢様は俺のいきなりの
問いかけに驚いた顔で見る
「いいから」
俺がそう言うとお嬢様は
戸惑った表情で言う
「えっと…」
首とか?」
「うん
それと?」
「…腰」
「うん」
「手も」
「あとは無い?」
「うん
…大丈夫」
と頷く
大丈夫な訳がないのに
俺はポッケから
ハンカチを出して
さっきお嬢様の言った場所をふく
「な…に?」
お嬢様は俺の
その行動に不思議そうに首を傾げる
「え?
嫌だから」
「なにが…?」
「だから
ちょっとでも美姫が
他の男に触られたのが」