わがままマイハニ―




素直じゃないな



お嬢様は俺の横を
通り過ぎて部屋を出る




「陵…」



俺も自分の部屋に
戻ろうとした時

不意に後ろから名前を
呼ばれる




振りかえると
お嬢様がドアから少しだけ
顔を出している




「あのね…



これ後で一緒に
見てくれる?」



目があうと
少し恥ずかしそうに
目をそらす




不覚にも
きゅんとしてしまった




「では、お待ちしてますね」



「ん」



お嬢様はそう言って
少し笑うと長いろうかを
走っていく






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