わがままマイハニ―
のにも関わらず
「きゃぁ!」
お嬢様はきゅっと
俺の腕をつかむ
…いたいし
「…大丈夫ですか?」
「う…うん」
俺は全然大丈夫
じゃないんだけど
髪の毛から香る
かすかなシャンプーの匂いに
誘惑されながらも耐える事
2時間ちょっと
やっとの事で映画が終わった
「りょお~
怖かったよぉ」
珍しく甘えた声の
お嬢様に少し戸惑う
そんな俺には
気付く事なく、
お嬢様はまだ
俺の腕を離さずにいる
「…もう
遅い時間だし
寝た方がよろしいんぢゃないんですか?」
「まだ10時半だよ?
急にどうしたの」
「何でもないです
失礼します」
そう一言いうと
一目散に部屋を出ようと
ドアを開ける
部屋を出ようとすると
お嬢様は何も言わず
俺の服のすそをきゅっと
軽く引っ張る