半熟cherry
郁だけ時間がとまってるみたいに動かない。
『……郁?』
どうしたんだろ、この子。
…ひょっとして。
郁が動けなくなるほどおかしいかったのかな…。
なんだか気分までトーンダウン。
……やっぱ、来なきゃよかった……。
………はぁ………。
ポンッ。
頭の上に何かが乗った。
「…とりあえず、行きマスか…」
隣を見上げると。
郁は私の頭の上に手を乗せ。
こっちを見ないまま言った。
……なんなのよ……。
そんなにおかしいからって。
あからさまに態度に出すコトないじゃない。
私は俯き、右手の拳をギュッと握った。