半熟cherry
「ねぇ、あの人。ちょーかっこよくない?!」
背中が郁を意識してる中。
そんな声が聞こえてきた。
「やっぱ思ってた?めちゃイケメン」
チラッ。
声の聞こえる方を見ると。
3人の制服を着た女の子が。
郁を見ていた。
「高校生かなぁ?」
「背、高いしイケメン。まじヤバいって」
「話しかけてみる?」
ココは電車の中。
声は小さめではあるものの。
……ガッツリ聞こえてますケド〜…
たぶん。
いや、私にもはっきり聞こえてるんだから。
郁にも聞こえてる。
でも郁は。
そんなの全然気にしてない感じ。
言われ慣れてるんだろうな。
“カッコイイ”とか“イケメン”とか。
「あのイケメンにあの彼女ってどぉよ?!」
女の子1人が言い出した。