半熟cherry
普段は飲まないお酒を飲んで。
気分上々。
気分よく飲めてたんだろうケド。
記憶なくすまで飲むなよな…私…。
一美の家を出て自宅への帰り道。
ひとりため息を吐く私。
結局。
どこの誰ともわかんない人と。
一晩過ごしてしまった。
…一緒に飲んでたとか、私が絡んでたってバーテンダーさんならまた違ったのに。
誰だかわからない。
…でもなんで涼真に電話したんだろ?
いろんな疑問はあるけれど。
してしまったコトはもう消せない。
せめて。
これが原因の内定取り消しがないコトだけを願わなきゃ……。
「あ、やっと帰ってきた」
私が一人暮らしをしているマンションのエントランスに。
見慣れた顔が座っていた。
『……何してんの……?』
そこにいたのは。
昨夜、私が電話をしたらしい涼真だった。