半熟cherry
『…ところでさぁ』
「ん?」
『“コレ”やめてくれない?』
“コレ”を指差す私。
指差した先にあるのは。
私の腰を抱く郁の腕。
「…なんで?」
更に抱き寄せようとする郁。
『だッ、誰かに見られたらどーするのよッ?!』
そんな郁を押し返そうとする私。
「誰かって?」
『学校の人間とか、知り合いとか!!』
「…こんなトコにいるわけナイから大丈夫。
それに…」
そう言った後。
郁は腰を屈めて私の耳元で囁いた。
「フツーにしてたら、“カレカノ”にしか見えないから」
ペロッ。
『…ッ!!』
ゾクゾクするような感覚を耳に感じ。
耳を押さえる。
…ま、また…耳舐めたぁ…ッ!!
「あ〜、これから楽しみだ」
郁は、腰にまわしていた腕を解いて。
ゆっくり歩きだした。
…私はこれからどうなるのでしょうか…。