半熟cherry
chapter:08
駅を出てしばらく歩くと。
遠くからにぎやかな声が聞こえてくる。
『そういえば、どこに行くの?』
隣を歩いている郁に聞く。
…私、目的地知らないんだよね。
「もー見えてくるよ…ほら」
郁が指差した先を見ると。
『…観覧車?!』
かすかに見える観覧車。
…じゃあこのにぎやかな声は…。
「遊園地で遊ぼ」
郁が微笑んだ。